10月12日、上賀茂試験地では、里山おーぷんらぼ(第17回)を実施しました。今回は京都産業大学情報理工学部伊藤研究室の木野さんの企画によるレーザー彫刻を用いた創作をおこないました。描きたいものを紙に書いて画像として取り込んだ後、葉への彫刻をおこないました。木野さんが中心に進行しつつ、伊藤先生や研究室の大学院生の皆さんが機械の操作をサポートしておこないました。デジタル顕微鏡で創作に用いた葉の細部を観察しました。大学生、社会人など合計9名が参加しました。京都大学フィールド科学教育研究センターから、舘野教授、田中特定研究員、荒井技術職員が参加しました。この日は、パリと京都で活躍するキュレーター、写真家の方、義足デザインをオーストラリアで研究するスペイン出身の研究者も参加しており、多様な交流が生まれました。プログラムはじめに、活動の趣旨説明、簡単な自己紹介をおこないました。その後、上賀茂試験地で制作した「里山フィールドガイド」を参照しながら、どのような樹種に興味があるのか話し合ったり、樹木に刻印する文字やイラストについて、どんなことが面白そうかを考えました。葉を集める散策は、フィールドガイドに描かれたコースをたどり、炭窯まで行き、苗畑横の道を経て、講義室に戻りました。集めてきた葉に何を描くのかを考えた後、その画像データを取り入れました。京都産業大の研究室メンバーが、手書きイラストや模様の取り込みや画像処理、彫刻機からの出力までをサポートしました。それぞれが描いたイラストや選んだ画像を出力しました。同じレーザーの強さであっても、葉の厚み・質により、彫刻される様は異なります。薄い葉(トチノキ、コシアブラ、リョウブなど)だとレースのように透けて見えますが、厚い葉(ナラガシワ、サカキなど)では表面に刻まれるだけになります。講義室にはデジタル顕微鏡も設置して、レーザーで彫刻した箇所等の細部を観察しました。レーザーの強度とのバランスで、網状の脈が残されています。型染めで図柄が落ちないようにするための「つなぎ」のような役割を果たしていることがわかります。参加者同士、写真、詩、アート、自然、技術などについて、異分野での交流を楽しみました。【事前準備】今回の取組は、京都産業大学の木野さんと同大情報理工学部の伊藤先生が中心に企画し、機械の手配等をおこないました。実施にあたり、一般社団法人パースペクティブ様にもご協力いただきました。(9月14日)10月のおーぷんらぼでの実施内容について意見交換しました(木野氏、舘野教授、田中)(9月25日)レーザー彫刻機(Laserpecker2)の使用テストを上賀茂試験地にておこないました。(木野氏、荒井技術職員、田中)