昨年に続き、夏休み中の舞鶴市の小学生を対象に「大浦の魚付き林と海辺の生き物観察会」を舞鶴市大浦会館、公益財団法人イオン環境財団との共催で実施しました。自然豊かな大浦半島の小橋海岸にて、多様な海の生物に触れてもらうとともに、自然な状態で古くから保存されてきた魚付き林と海との関係について学んでもらうことを目的としています。(昨年開催の記事はこちら https://collabo.fserc.kyoto-u.ac.jp/news/3ezMXUsW)記録的な猛暑が続く日々ではありましたが、海に入れば暑さも忘れて生き物探しに熱中できました。ひざ下程度の深さの浅瀬で魚を見つけることは本来そう簡単ではありませんが、海へと張り出した魚付き林の陰になるような磯場はたくさんの魚の住みかになっています。最初は泳ぎ回る魚を捕らえることに苦戦していた子どもたちでしたが、魚を追い込むコツをつかんでからは続々とメジナの稚魚やハゼの仲間を捕まえていました。エビやカニ、ウミウシやミズクラゲなども子どもたちに大人気でした。また動物だけでなく、魚付き林に見られる植物に関する解説も行いました。少ない種類の樹木が優占するのではなく、多様な樹種から成り立っている魚付き林。その多くは海辺の強い風や塩分など、植物の生育にとって厳しい環境条件にも対処できるような特徴を備えています(ツバキが持つ光沢のある厚い葉など)。その多様さは見た目にも楽しく、例えば青い花を咲かせるハマゴウ(下画像)は参加者の皆さんに特に人気の海浜植物でした。見た目だけでなく、ハマゴウの葉や実はとても爽やかな香りがすることを説明すると、子どもたちはみんな手に取って香りを楽しんでいました。今年も絶好のコンディションの中で里海の生物多様性に触れることができ、大変有意義な開催となりました。ご参加下さった皆様と、開催にあたりご尽力頂いた舞鶴市大浦会館の皆様に心より感謝申し上げます。