2025年4月4日、京都大学吉田キャンパス北部構内にあるフィールド科学教育研究センター北白川試験地に、ミツバチの巣箱を設置しました。こちらは、重箱式巣箱と呼ばれているもので、ハチの巣の大きさに合わせて箱を継ぎ足していきます。ミツバチは箱内の上から下に向けて巣作りを行い、巣の上側はハチミツや花粉を溜めておくスペース、巣の下側は育児スペースとなるそうです。ハチミツが上部に溜まると巣全体が重たくなるそうで、暑さ等で巣が落下することがあります。巣の落下(巣落ち)を防止するために、箱の内側に針金を十字に渡してあります。ニホンミツバチは、3月から6月にかけて新女王蜂が誕生すると、分蜂します。※分蜂とは、新しい女王蜂が生まれたあと、その母親の女王蜂が働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作ることです巣箱の側面の白丸は、待ち箱ルアーと呼ばれているもので、このルアーによってニホンミツバチを誘引し、女王蜂とその群に入居してもらうことを目指しています。ルアーの香りは、人間にはほとんど分からず、無臭に感じました。待ち箱ルアーの他に、キンリョウヘンというラン科の植物で、ミツバチを誘引することもできるそうです。(撮影:岸本 泰典)巣箱を設置したあと、しばらく観察を続けていましたが、5月8日にニホンミツバチの入居を確認しました!分蜂と入居の瞬間は見逃してしまいましたが、おそらく、ゴールデンウィーク中だったのではないかと考えています。巣箱の下側が巣門(蜂の出入口)となっていて、ミツバチが出入りしているのが分かります。巣箱のなかは、このような感じです。カメラを下から上へ向けて、撮影しました。その後、ミツバチの数が増えて巣箱2段目まで巣板が伸びていたため、6月17日に巣箱を追加し合計4段にしました。また暑さによる巣落ち対策のため、寒冷紗(黒布)を上部に設置し、箱内の風通しを良くするため巣門を3面に増やしました。養蜂プロジェクトはまだ始まったばかりです。まずは1年間、ミツバチの入居を維持できるように、観察を続けたいと思います。本養蜂プロジェクトは、二ホンミツバチの達人 志賀生実さん(株式会社 週末養蜂)のアドバイスを受けながら実施しています。志賀さんの記事は、こちらをご覧ください。