2023年4月22日、京都大学舞鶴水産実験所で、柴漬け体験イベントを行いました。京都北部に在住の小学生とその親御さんを中心に、多くの方に参加していただきました。柴とは、里山から切り出した木や枝を束ねたものを指します。昔話の、「おじいさんは山へしば刈りに…」の出だしは、実は芝生のことではなく、木を束ねた柴のことを指していたのですね。柴漬けは、里の恵みをうまく生かした漁法であり、柴を海に沈めておくと、魚やエビなどのすみかとなります。柴を引き上げてこれらを網ですくい採集するのが、柴漬け漁です。自然の恵みと魚の行動をうまく利用した伝統のある漁法で、日本各地で脈々と受け継がれています。今回は、実際に小学生たちに、木の切り出しや柴を沈める体験をしてもらいました。初めてノコギリを使う子どもも多く、最初はてこずりながらも、みなさん上手に柴を仕上げてくれました。柴漬け作業の後は、舞鶴水産実験所で飼育している生物を観察し、魚に餌など与えながら、魚たちが住む身近な海、いわゆる里海についても学んでもらいました。沈めた柴は、3ヶ月後の7月22日に引き上げる予定です。採れた魚を用いての、簡単な実験も企画しています。次回の引き上げまで、水中の様子を随時ホームページで紹介する予定ですので、ご期待ください。