今回の「里山おーぷんらぼ」では、学生団体・森里海と文化研究会が中心になって、ドラム缶炭窯による竹炭づくりに再び挑戦しました。ひとつの窯では、これまでで最もうまく竹炭を焼くことができました。 3日間にわたり、8名(7/10)、29名(7/12)、10名(7/13)が参加しました。森里海と文化研究会のメンバーである大学生(京都大学、京都薬科大学、龍谷大学、京都産業大学)、京都大学の教員・職員と大学生・大学院生、洛西LINKSの高校生・教員、また、京都府立大学・京都工芸繊維大学・神戸大学の学生・院生、京都府立鴨沂高等学校、東大寺学園高等学校、環境保全団体ぴおにあーる、株式会社森を織る、きょうと生物多様性センターからも参加されました。(7/11には、隣接する総合地球環境学研究所から見学のため訪問されました。) フィールド研から、舘野センター長、田中特定研究員、紺野技術職員が参加しました。今回の炭焼きは、おおよそ以下のようにおこないました。(7月10日)10時30分、事務所棟に集合。11時からドラム缶炭窯の準備。10日は1号機のみを使用。12時:焚口に火をおこし、炭焼きを開始しました。14時頃:自燃(じねん)。14時半くらい:粘土で焚口を塞ぎました。炭焼きが終了したのは20時45分でした。(7月12日)9時30分集合。竹の炭焼きや森里海と文化会の活動について、同研究会の北川代表から説明。参加者全体で自己紹介をおこないました。10時半。炭窯の場所へ移動。2号機への竹の投入、窯を閉じ、粘土で隙間を埋める作業。11時半頃。2号機に点火しました。13時頃。自燃と判断し薪を止めました。お昼前から、竹を使った工作を適宜実施。はし、串、竹トンボなどを作成しました。昼食は、羽釜や竹筒で炊飯したごはん、串焼き、ナムルサラダでした。17時50分:大学生は上賀茂試験地を出発。炭焼きが終了したのは19時20分でした。なお、1号機の窯内温度は、まだ100度を超えていたため、12日のらぼのプログラムで炭を取り出す活動は取りやめました。(7月13日)朝、窯の温度が十分下がったことを確認(午前8時で50~60度)。10時過ぎ、窯を開いたところ、1号機、2号機ともに竹炭が焼けており、特に2号機は大成功でした。今回使用した炭材と出来上がった炭の重量は以下のとおりです。参考として、2025年3月に実施した竹炭焼きの際の記録も掲載しておきます。以下では、写真を交えて、活動の模様をご紹介します。7月10日(木)事務所棟に集合して、炭窯へ移動しました。ドラム缶に竹を入れていきます。この日は1号機のみを使用します。材料の竹は、京田辺市のぽれぽれランド、木津川市鹿背山、南丹市芦生研究林(施設周辺の竹)のものを用いました。材料を投入する前に重量を測ります。ドラム缶の中に竹を詰めていきます。炭窯のフタの周囲に充てんする材料をつくります。窯の近くの粘土を掘って、ふるいにかけた後、水を混ぜて、こねているところです。1号機の焚口に薪をくべて、加熱していきます。14時ころ、1号機の焚口にブロックを積んで、狭くしました。この日は、20時過ぎ、窯内温度は384.7度まで上昇し、煙がほぼ透明になったため、焚口を閉鎖して精錬をおこないました。20時45分に精練を終了し、煙突に蓋をしました。煙や窯の温度を見守りながら、雑談が進みます。7月12日(土)9時30分集合。竹の炭焼きや森里海と文化会の活動について、同研究会の北川さんから、活動の注意事項等について田口さんから説明されたのち、参加者全体で自己紹介をおこないました。参加者の方がカイコを持参され、クワを食べる様子を観察しました。10時半。炭窯の場所へ移動。2号機への竹の投入、窯を閉じ、粘土で隙間を埋める作業などをおこないました。11時半頃。2号機に点火しました。薪をくべて徐々に加熱を続け、13時頃。自燃と判断し薪をくべるのを止めました。お昼前から、交替で火の番をしながら、竹の工作を適宜実施。はし、串等を作成。12時半頃。午前から研究会メンバーが調理を進めており、途中から、らぼ参加者が合流。昼食は、ナムルサラダ、羽釜と竹容器で炊いたごはんと、さまざまな串焼きでした。串焼きではわずかですが、らぼの畑のトマト・タマネギが使用されました。写真は、今回のらぼを企画運営した「森里海と文化研究会」の主なメンバーです。18時前、研究会の関係者は上賀茂試験地を出発。その後、2号機では、18時50頃、窯内温度359.4度となり、煙が透明になったため、焚口を閉鎖して、精錬開始。19時20分、精練終了し、煙突に蓋をしました。なお、1号機の窯内温度は、火を落として2日目の12日でも100度を超えていたため、12日のプログラムで炭を取り出す活動は取りやめました。7月13日(日)窯の温度は十分下がっています(午前8時で50~60度)。10時過ぎ、窯を開きました。1号機は竹炭の体積がかなり小さくなっており、灰が多く見られました。他方で、2号機は竹の形状がそのまま残っているようで、炭としてよく焼けていました。写真では、完成した炭を取り出したり、炭を保管するための段ボールを組み立てています。写真は1号機の竹炭。灰や崩れた炭となっている部分が多いようです。下の写真は2号機の竹炭。灰や崩れた炭が少なく、竹の形を維持したままた縮小しています。生焼けもほとんど見られません。下の写真は材料として用いた竹と2号機から取り出した竹炭を並べています。1号機は、窯内温度が2日間低下しなかったことから、内部で少しずつ燃えていた可能性があります。ただ、燃焼時に発生する煙の漏れは見られず、隙間がなかったと考えられるため、どのように空気(酸素)が供給されたのかは不明です。2号機の竹炭は、おそらくマニュアルどおりのプロセスで焼けたものと思われます。保管用の段ボール箱に梱包。1号機の竹炭は1箱、2号機のものは3箱になりました。今後の研究会やおーぷんらぼの活動で活用する予定です。【捕捉】竹の調達ちなみに、今回の炭焼のための竹は、京田辺市の「ぽれぽれらんど」で活動されている野村様からご提供いただきました。竹を伐りだして、搬出するまで、いろいろとお世話になりました。(2025年5月31日)竹やぶで竹を伐採して、玉切りをおこなう研究会のチームです。(2025年6月3日)その後、竹を京田辺から上賀茂まで搬送しました。炭焼きの日まで屋根の下で乾燥させました。