柴を沈めてから1ヶ月が経ちました。まだまだ水温は19度と、ウェットスーツで長時間潜ると少々肌寒いです。水は温まるのが遅く、冷めるのも遅いため、地上が暖かくなっても海はまだ寒い場合があります。それでも、前回大量に見られた春の風物詩的存在のシオミドロは随分と減り、水底の様子も観察しやすくなりました。スギの柴にはイトマキヒトデがついていました。 糸巻きとは、今ではあまり馴染みがありませんが、毛糸などを巻き取っておくための道具で、昔は五角形の糸巻きも使われておりその形が名前の由来となっています。イトマキヒトデは磯や内湾、堤防で普通に見られますが、体色は個体差があり、中には全身が白色のイトマキヒトデもいるそうです。ちなみに、英語ではBlue bat star(青色のコウモリのヒトデ)と呼ばれ、これはヒトデの腕と腕の間の切れ込みが普通のヒトデよりも浅く、コウモリの手のように膜が張っているように見えるための命名だそうです(実際にはコウモリの手の膜のように薄いわけではなく、厚みがあります)。 また、アミメハギも見られました。アミメハギはフグに近い仲間で、大きくても7cm前後の小型の魚です。フグとは異なり、毒はないようですが、そもそも食用ではありませんね。 名前の通り、体には網目模様があり、風景に紛れる模様をしています。実は、私はアミメハギをペットとして飼っており、慣れてくると水面まで餌をおねだりする可愛い魚です。 また、野外とは異なり、水槽で飼育していると体色が薄くなり特有の網目模様も見えづらくなります。おそらく、背景が白色なので薄い色のほうが目立ちにくいためだと考えられます。このように、魚は周囲の状況を目で見て、それに合わせて体色を変化させることができるのです。カメレオンみたいですね。