5月14日・15日にかけて、上賀茂試験地では簡易架線検討会がおこなわれました。里山には、急な傾斜地や機械が使えない場所があり、安全かつ効率的に木材を搬出する技術が必要とされています。そのような現場に対応した簡易な方法として、「ロープ集材技術」が近年注目されているそうです。試験地内の12林班、18林班で実践中の里山の森づくりにおいても、今後の木材搬出を見据えて、機材などの準備が進められてきました。今回は、フィールド研の森林系技術職員(上賀茂試験地、芦生研究林、北白川試験地)が中心に集まって、「簡易架線導入に関する現地検討会」と題して、2日間にわたり、ロープ集材の試行と検討がおこなわれました。里山おーぷんらぼ参加者でご関心のありそうな方にもお声かけしました。プログラム検討会は以下のようなプログラムに沿っておこなわれました。「里山おーぷんらぼ」関係者は1日目・午後に1名参加しました。1日目(5月14日)9:00 上賀茂試験地集合 ガイダンス 午前 里山林造成現場(18林班)において、集材ルートの検討、各機材の準備と設置 午後 同現場において、ポータブルウインチおよび搬器を用いた集材作業の体験15:00 作業終了、機材撤収17:00 終了2日目(5月15日)9:00 上賀茂試験地集合 作業の振りかえり検討会、情報交換以下では、1日目午後の活動について、紹介していきます。5月14日13時に、18林班へ集合しました。午前中の作業で、斜面上側と下側のマツの幹にロープが渡されるなど、準備がおこなわれています。斜面下のマツの丸太を吊り上げて、運んでいます。吊り上げられた材は、そのままトラックの荷台へ。滑車の機能を使って、かなりの重量の丸太を運ぶことができました。らぼからの参加者も、ロープ操作を体験するなど作業に一部参加しました。オレンジのロープに沿って、吊り下げ器具が引き寄せられます。赤いロープは垂直に引き上げる役割と横方向に引っ張る役割があります。オレンジ色ロープの斜面上側末端は手前のマツに固定。奥の動力で赤いロープを引いています。垂直方向、上まで引き上げられるとブレーキが解除されて、横方向に進む仕掛けになっています。うまく考えられた装置です。実物の動きを見ていただくのがわかりやすいのです。白ロープでブレーキをゆるめ、フックを下ろしています。今回は、里山を管理する技術を学ぶ貴重な時間になりました。チャンスがあれば、今後もこうした機会を作っていければと考えています。