晴天の5月20日、舞鶴市立池内小学校の3, 4年生の皆さんととともに、小学校の目の前を流れる池内川(伊佐津川水系)にて標記の会を実施しました。きっかけとなったのは舞鶴水産実験所で行っている伊佐津川水系での魚類調査で、落差工(段差)の多い池内川ではアユなどの遡上が制限されているのではないか、と推定されたことでした。実際に落差工を調べてみると、魚道が併設されているもののその入り口が砂や茂みで塞がっている場所があったため、魚の通り道をより良くするための作業を地域の児童たちと進めたいと考え、この会を開催することになりました。(参考:伊佐津川での環境DNA調査(2024年夏季)― 昨年との違い) https://collabo.fserc.kyoto-u.ac.jp/news/eTU0BXQhまずはじめに、川に入る準備万端の児童の皆さんと網を使って生きもの探しをしました。どんな生きものが生息しているか理解を深めたうえで、本題である落差工と魚道のある場所まで移動しました。自分たちの身長より高い落差工に驚いていたようでしたが、階段状の魚道を下り、魚の通り道の役割について解説しました。児童の皆さんは、これからの時期に本格化するアユの遡上を手助けするためにも、魚道の周りをきれいにする作業を一生懸命手伝ってくれました。手作業でできることには限界もありますが、それでも魚道の入り口周辺の水の流れは大きく改善しました。川の水量がもう少し多い時期になれば、この通り道を遡上するアユの姿が見られるのではないかと期待できます。状態が悪化しないよう、今後も管理とモニタリングを続けていく予定です。作業の後は、今回見つけた生きものや魚道に関する児童の皆さんからの質問に答え、一日の振り返りをしました。皆さんの生きものへの興味や、自然を守りたいという思いに感銘を受け、地域の生物多様性保全のための発信と実践の大事さを強く感じる機会となりました。舞鶴市立池内小学校の皆さん、どうもありがとうございました。