梅雨が明けて間もない7月24日、舞鶴市大浦半島北部の小橋海岸で「大浦の魚付き林と海辺の生き物観察会」が行われました。当日の早朝は開催が不安視されるほどの雷雨でしたが、集合時間が近づくにつれ急速に晴れ間が広がり、絶好の海日和となりました。(イベント紹介記事:https://collabo.fserc.kyoto-u.ac.jp/news/D9UonY2d)京都府北部の海岸斜面には、自然な状態で古くから保存されてきた森林「魚付き保安林」が広く見られます。中でもここ小橋海岸の森林は、漁港の裏に位置し人との距離が特に近い魚付き林であり、里海環境の代表的な形の一つと捉えることができます。今回の観察会では舞鶴市の子どもたちを対象に、魚付き林と磯場での生物観察を通じて、魚付き林が織りなす生物多様性に触れてもらうとともに、海と陸との繋がりを実感してもらうことを目的としました。岩の隙間で大きなカニを探し出す子どもたちもいれば、海に入って見事に魚を捕らえる子もいて、舞鶴の子どもたちの生物採集のレベルの高さに驚かされました。砂浜側よりも魚付き林側の方が多くの生き物がいることに気づいた子どもたちもいました。後半には捕まえた生き物を桶に移して「ミニチュア水族館」を作成し、どんな生き物が捕れたか、見て・触って、みんなで観察をしました。また魚付き林を構成する植物に関する解説も行われ、特徴的かつ多様な樹種が海へと恵みを与えていることを学んでもらいました。身近な生物多様性に触れることで、里海の価値を再認識することのできる有意義な機会となりました。ご参加頂いた皆様、そして開催にあたりご協力くださった皆様に心より感謝申し上げます。